ブログ再開:パタゴニアのすごさ
またまたブログ放置していました...昨年末~年度末は例年以上に多忙だったので、というのは言い訳ですね。「書く気になれなかった」というが、正直なところです。
再開する気になったのは......ま、これもさしたる理由はありません。ふと、書きたくなったから。
義務感で行うことは、苦痛でしかありません。好きなことは苦労だと思いません。
書きたくなるのを待っていたら、きょうになりました(笑)。
で。
まずは、以下の昨年の11月に書きかけていた文章を完成させます~(汗)。
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東京に向かう新幹線の中です。
2日間、会津坂下町で仕事をしたのですが、昨夜から大雪に。
案の定、磐越西線のダイヤは大幅に乱れ、乗る予定の電車が約40分遅れで会津若松駅に到着。その電車をホームで吹雪を浴びながら待っていた時間の長かったこと。危うく雪だるまになりかけました......。
おまけに、今朝、宿で気づくと私のうしろにまるでパンくずのようにグースダウンが。あれ? なんと、ロングダウンの後ろの裾に穴が。中からダウンがぽよぽよ飛び出してきていました。あちゃー、たぶん、昨日、会議をした部屋のストーブだ。あたっていた時に気づかずに焦がしてしまったようでした......。
今は、汚くあいた穴に応急処置のセロテープがベタベタ貼ってあります。
1時間以上の遅れでやっとたどり着いた郡山駅。
でも、そこで、ちょっとほんわかする出来事がありました。
お腹が空いたので、立ち食い蕎麦屋に行き「わかめ蕎麦」を注文しました。その店は女性2人で運営されているようでした。
「はい、お待ちどうさま」
わかめ蕎麦が来たのですが、荷物を置く場所がなかったので、両肩に荷物を掛けたまま食べようとすると、その店の女性が見かねて声をかけてくれました。
「お客さん、そこの隅(店の後ろ)にテーブルといすがあるから、そこに荷物おいて座ってゆっくり食べてください」
そう言うと、私が注文したお蕎麦と水をトレーに載せて手渡してくれました。
「ありがとうございます!」
ああ、親切だなぁとうれしくなって、1人ニコニコしながらお蕎麦をいただきました。なんてことない立ち食い蕎麦なのですが、味までおいしく感じるから不思議です。こころなしか、わかめもたんまり入れてくれていたような。
食べ終わってトレーをお店に持っていくと、別の女性が、「はい、ありがとうございました。気を付けて帰ってくださいね」
この明るくあったかい一言がまたうれしくて、2つの「あーあ」の事件によるブルーな気持ちが一気に吹き飛びました。
東北の女性はいいなぁ、なんて勝手に思ったのでした。
たかが立ち食いそばでも、ほんのちょっとした心配りで、私の中では別物の存在になりました、郡山駅新幹線改札内のこのお店は。
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書きかけはここまで。
実は、この話には後日談があります。
といっても、郡山駅内の立ち食い蕎麦屋さん関連ではなく、穴のあいたロングダウンのことなんです。
はい、タイトルにあります、パタゴニアです。ネイビーブルーのロングダウンは、パタゴニアのネットショップで購入したものでした。
後日談の前に、ちょっと長いですが、このダウンが私の手元にやってきた経緯から―――。
ネットショップで商品を購入して、神田の実店舗で受け取りました。事前に、パタゴニアのカスタマーサービスセンターにメールで、「すぐ欲しいので、実店舗に行ってそこで商品を受け取ってもよいか?」と聞いて許可をもらってのことでした。
カスタマーサービスセンターから、神田店に連絡を入れてもらっていましたので、スムーズに商品を受け取ることができました。
しかし、試着してみると、私が購入したものは、タウンユースのかなり薄手。想定していた雪国出張ヘビーユースとはちょっと違う???と、お店で応対してくれたお兄さんの説明を聞くうちわかってきて、えー、どうしよう...と、結局、別のタイプのロングダウンに替えることにしました。
お店にあった在庫のカラーは、白と茶色と黒(だったかな?)。試着してどの色にも今一つ納得しなかったのですが、その週からの出張に使いたかったので「俺、それでいいと思いますよ」というお兄さんの意見(がっつり山男風のお兄さん、半ば投げやり...笑)もあって、白を購入しました。
といっても、一度ネットで決済した後、実店舗で別の商品に交換するなんて、普通はできません(まず、断られます。自分でネットで返品してから、改めてこっちで購入し直してよねと)。
それを、嫌な顔一つせず、パタゴニア神田店ではなんとか処理してくださったんです(ありがとうございました!ホントに我がままな客です)。
帰宅後、再度、パタゴニアのネットショップで同じ商品を検索してみると、同モデルには、な、なんとネイビーブルー色があるではないですか。えーっ、こっちのほうがよかったなぁ。でも、もう買っちゃったしなぁ...しかも、ネット決済後、実店舗で返品・交換処理までやっていただいたしなぁ...あーあ。
諦めきれない私は、「よし! ダメ元で...」と、またもやパタゴニアのカスタマーサービスにメールを入れてみたのです。
すると。
ネイビーブルーカラーの在庫があるから交換可能だ、と言うではないですか!えっ?ほんとですかぁ? 実店舗で買った商品ですよー!
おまけにですよ、
「すぐご入り用だと思いますので、お客さまからの返品到着を待たずに、商品をお届けします。お手元の商品は、着払いでお送りください(着払いで良い理由:実店舗まで足をお運びくださったので...)」
というではないですか!?
この対応に大感激した私は、以来、パタゴニアの大ファンになったのでした。
実際、届いた商品は、思った通りのステキな色で(このダウン、形もすごくよくて)、「やっぱり、ネイビーにしてよかったー!」としみじみ思ったものです。
そんな思い入れ・愛着のあるロングダウンでしたから、大事に、大事に使っていたんです。
なのに。
私はそれをストーブで焦がして穴をあけてしまいました(涙)。
でも、穴があいてよくわかったのは、中に入っているダウンが正真正銘の究極のグースダウンであったこと。その大事な最高級のダウンを惜しげもなく私は、ポワポワとあちこちにこぼして中身を流出させてしまったのでした。
「あー、これ(ストーブで焦がして穴をあける)僕もやったことあるんですよね。こうなるともうダウン(ジャケット)はダメですよ。あらら」
と、会津坂下町で一緒に仕事している養鶏農家の山口くん。泊った宿のご主人がセロテープを持ってきてくれ、応急処置をして、山口くんの車で会津若松駅へ。
話を、立ち食い蕎麦屋さんで食べた後の時間に戻しますね(ホントに長くなってスミマセン...)。
蕎麦屋さんでほんわかあったかい気持ちになって、郡山から、新幹線に乗り込みました。
PCを開きパチパチお仕事......しかし、大好きなネイビーのロングダウンに大きな穴をあけてしまったことが頭をよぎります。不注意だった自分の行為が悔やまれます。
パタゴニアのサイトを開けてみました。
すると、「リペアができる」とあります。そうか、ならば......。
えーい、ダメ元だ! 私は、一縷の望みを抱き、今回もパタゴニアのカスタマーサービスセンターにおすがりすることにしたのです。
現在のダウンの状態を説明し、もしリペア可能ならば状態を撮影して画像を送ります、と、メールしてみました。
帰宅して、メールチェックしてびっくり。
件のカスタマーサービスセンターから、もう返信が来ているではありませんか。
「現物の画像を確認させていただく前ですが、おそらくリペア可能だと思います。よろしければ商品をお送りください」
しかも、価格は、状態にもよるけれども、たぶん2000円前後でできるだろうと。
えーっ!送ります、送ります、お願いします、さすがです、パタゴニアさま~!!!
という感じで、リペア申し込み書をダウンロードして記入、商品を梱包して、翌日、リペアセンターに発送しました。
申込書には、修理が必要な部分を絵に書くよう指示されていましたので、ロングダウン背面、裾の部分に丸をして、状態を書き入れました。
以下のコメントもつけました。
「昨年買った大好きなとってもとっても気に入っているダウンです。なのに、ストーブで焦がして、あるいは何かにひっかけたのか穴をあけてしまいました。気づいたのが遅かったので、中からダウンがだいぶ出てしまいました(涙)。でも、出てきたダウンを見て、本当に最高級グースダウンであることがよくわかりました。きれいに直れば本当にうれしいです。どうぞよろしくお願いいたします」
翌々日、携帯に「パタゴニアリペアセンターです」と、電話がかかってきました。
「ちょうど、とても似たお色の素材があったので、たぶんかなりきれいにお直しができると思います。価格は送料別で1500円です。それから、ダウンが穴から出てしまったということでしたので、少し追加しておきますね」
え~え~え~~~っ!!!
「ありがとうございますーーー!!!」
電話口で、何度も頭を下げていました、私。
きれに補修できることがうれしかったのはもちろんのこと、極めつけは、「ダウン追加」ですよ!そんなことやってくれる修理屋さんなんていません。ここまで顧客の気持ちを思いやってくれるなんて......。
これぞ、顧客対応の極意、見本(今風に言えば、「神対応」でしょうか)。
「どうすれば、お客さまが喜んでくれるか」を基本に、メールも電話も実店舗も、どのスタッフも、全ての姿勢にブレがなく、一貫しています。
その根本にあるのは、「このお客さまが言いたいのはどういうことだろうか?」、「何に一番困っておられるのだろうか?」、「どうすれば、それに応えられるだろうか?」という、顧客に真摯に向き合う姿勢です。
そして、顧客の真意を即座に捉え、心からの誠意で対応する。
パタゴニアの商品は、よく、他のアウトドアメーカーの物に比べて、価格が高いと言われます。でも、その価格の中にこうした顧客対応が含まれているのだとしたら、私は大いに納得です。
商品の価格とは、商品そのもの+お客さまへの対応(サービス)であると私は思っています。
こんなに、ユーザーが気持ちよく買い物ができて気持ち良く商品が使えるように配慮しくれる......
私は今後、アウトドア商品を買うなら、何を置いてもパタゴニアにします。
大・大・大ファンになった私のようなユーザーは、裏切りませんよ。
この話、私はあちこちで披露しています。
おもてなし、お客さまサービスとは何?という本質、答えがこの例から見えてくるからです。
一事が万事とはよく言います。
私の中で、郡山駅の立ち食い蕎麦屋さんと、アウトドアメーカーのパタゴニアは、もう"特別"です。
※2015年春、パタゴニアのネイビーブルーのロングダウンがリペアセンターから戻ってきました。ドキドキしながら梱包を開けてビックリ! まるで新品同様。どこに穴があいていたかわからないほどに、きれいに直っており、まさに「完璧」の仕上がりでした!届いたのはちょうど私の誕生日。素晴らしいバースデープレゼントとなりました。ありがとうございます、パタゴニアさん。これからも大事に使わせていただきます!!!