庄内の若きピッツァ職人
雑記帳の更新、ほーーーっんとに久しぶりで申し訳ございません……。
ネタは山ほどたまっていたのですが、なかなか吐き出せずにおりました。
ようやく更新したサイトのトップに、「続きは雑記帳で」と書いたのですが、小値賀の海の物語の前に、ここはひとまず、これまでたまっていた情報を順にドドッとお伝えすることにします。
なので、ちょっと時間軸がズレますが、しばしお許しを。
トップは、昨年11月の庄内(山形)から!
さて、上の写真、よだれが出てしまいます?(笑)。
アメリカンタイプのピザなんて問題外、都内のナポリピッツァ専門店にだって負けていません。
これ、山形県庄内市の本格派ナポリピッツァのお店「緑のイスキア」さんの水牛のモッツァレラを使ったD.O.C(ドック)なんです。
久しぶりに旧知の庄司祐子さんに会いたいとイタリアンを供する田んぼの中の農家レストラン「穂波街道」におじゃました去年の11月。タクシーでお店に到着すると、あれ?入口の位置が変わっている。中に入ってさらに驚いた。白を基調とした店内にはカウンターが設けられており、その真ん中にピザ窯がでーんと座っているではないか。
「お久しぶりです!」。迎えてくれた祐子さんの笑顔は昔のまま。あったかいものが胸に込み上げた。
2007年11月に「イタリアンレストラン 穂波街道」は、「ピッツェリア 穂波街道 ヴェルデ・イスキア(緑のイスキア)」に生まれ変わっていた。
▲現在は正面入口から。以前は右側手前が入口でした。
「イタリア・ナポリからの特注の窯なんです」。そう説明してくれたのは、祐子さんのご長男・建人さん。
イタリアのイスキア島で2カ月、その後日本で修行してピザ職人になったという。でもイタリアでたった2カ月なんて、修行にしては短いような。「いや、ピッツァは器用な人はすぐにマスターできるんですよ」
一番のこだわりは「最高においしい!」と自負する本場イタリアから取り寄せた粉で作る低温長時間発酵(7~8時間)の生地。
「甘味、しょっぱい味…噛めばいろんな深い味がするんです」
▲ピザを焼く建人さん。
私が食べたマルゲリータのランチセットは、ピッツァ(ランチサイズ)に自家菜園で作る野菜をふんだんに使った新鮮サラダ、手作りフォカッチャ(これがまたおいしい!)にドリンクがついて1,000円。200円プラスするとジェラートか祐子さん自慢のシフォンケーキもいただける。かなりのボリュームである。
とにかく!一口食べてびっくり。カリカリでもっちりが融合した生地は、歯ごたえ十分。建人さんが言うとおり、口の中で噛むほどに塩っけや甘味など複雑な味を楽しませてくれる。その生地とトマトソース、バジルの風味、モッツァレラチーズがあいまって、食が進む、進む。美味なことこの上ない。
私の好きな、あるナポリピッツァの味に似ているなぁと思っていると、「僕、最初その店に単身乗り込んだんですよ」と、建人さん。
なるほど、そうだったのか。
▲祐子さん作のシフォンケーキはふわふわふかふか。無添加の生クリームも手作り。「私が一時アメリカにかぶれてて(笑)。アメリカのホームメイドシフォンケーキをどうしても出したくて」。写真の左上の切り込みは、私が写真を撮るのを忘れてフォークを入れてしまったからです、すみません…。
祐子さんは言う。
「ナポリピッツァは、イタリアでは安くて気軽な食べ物。日本でラーメン食べに行くのと同じ感覚でピッツェリアへ行くんです。だから、もっと身近で手が届く食べ物にしたいと思って、もう1回、原価計算したんです」
そこで生まれたのが、600円のランチセット。オレガノは乗っているがモッツァレラは乗っていないピッツァ・ナポレターナにサラダとフォカッチャ、ドリンクがついてこの価格。東京ではありえない。
今後力を入れていきたいと考えているのが、デリバリーだ。
▲庄司祐子さんと息子の建人さん。お店のオーナーは祐子さん、シェフが建人さん。ご主人の渡さんは農業部門「農業法人Jファーム」の代表だ。
そして、この春、「緑のイスキア」は新たなステージに立った。
「東北初となる真のナポリピッツァ協会の認定店に決定しました!」
老若男女に、人気のナポリピッツァを本場ナポリと同じクオリティーで提供したい。
そう考え、建人さんは2年前から準備してきたのだという。
書類審査、日本支部幹部による国内審査終了後の3月12日、建人さんのピッツァ職人としての技術を審査するために、イタリアのナポリに拠点を置く『真のナポリピッツァ協会 VERACE PIZZA NAPOLETANA』から、ナポリでもNo.1の呼び声高いピッツァ職人である主任技術指導員ガエターノ・ファツィオ氏が来日。
その結果が、先のうれしい知らせである。
お2人から届いたメールを、ここに転載させていただく。
「3月12日は、約2時間緊迫した空気の中、厳正な審査が行われました。
ナポリピッツァの、生地の特性や、粉・配合など細部までの入念なチェックと、ピッツァ職人の技術。
焼きあがったピッツァそのもののクォリティだけでなく、様々な質問があったのには驚きました。
9 項目4段階の評価で審査されました。
7項目で最高の4 点、残り2項目は3点という高い得点を取れました。
『完璧!』」との御褒めの言葉でした。
『ナポリの文化とも言える、ナポリピッツァを、これ程までに再現してくれたことに感激した。今後も精進するように』
との言葉をいただきました。
ナポリとの交流や、より本場に近づくための努力、当店オリジナルのお米のピッツァの開発など、今後も続けてまいります。
お近くにこられる機会がございましたら、ぜひ当店にもお立ち寄り下さいませ。
3月19日穂波街道 緑のイスキア 店長 庄司祐子 ピッツァ職人 庄司建人」
祐子さん、建人さん、本当におめでとうございます!
これからもご活躍をお祈りしております。
またおじゃまさせていただきます。